Google特許検索とその穴 | 王様の耳はロバの耳

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Googleがいつの間にか特許検索サービス始めてた。
それというのもGoogle論文検索で、ある論文を引いていたら「Patents」というリンクがあって気がついたんだけど。

記事によると12月13日には公開されていたらしい。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20338893,00.htm

使ってみるとアメリカ特許庁(USPTO)のデータベースから引用されているみたいだ。でも本家よりも全然引きやすい。
http://www.uspto.gov/
研究・開発者にはとってもべんりだー!まあGoogleなので盲目的に信じるわけにはいかないけどね。
日本の特許電子図書館IPDLも対応しないかな、日本の日中は遅くて使い物にならないしね…。
http://www.ipdl.ncipi.go.jp/

ついでにこの辺もリンク。

論文検索
http://scholar.google.com/

オープンソース検索
http://www.google.com/codesearch


ところで「vibration game」で検索すると…
http://www.google.com/patents?q=vibration+game&btnG=Search+Patents
1位はImmersionでもSCEでもなく、Nintendoでした。
Patent number: 7070507
Patent number: 6679776
N64での振動パックに関係する特許ですね。
ちなみにこの振動量をCPUではなく、パック側・コントローラ側で演算するとImmersionの特許に抵触するという話を聞いたことがあります。

なお3番目は韓国からの特許で、PDAをコントローラに合体させるものでした。
Patent number: 6530838

そんなわけで「Googleは信じるな!」と以前から言っておりますが、その基本構造は変わってませんね。

【やりがちなプロトコル】
(1) 「こんなものがあるんじゃないか」と考える
(2) Googleを検索
(3-1) →なかった
(4-1) =「存在しない」。ウッヒョー、俺パイオニア?
(3-2) →存在した
(4-2) =「上にあるものほど重要」

この考え方は間違いです。
少なくとも研究者のサーベイ方法としては間違いです。
正しくは
(4-1') キーワードが間違ってる
(4-2') 該当するページから別のキーワード、カテゴリーを探す
Googleは日本語、フランス語、英語でも結果は違いますから、さらに注意が必要です。


IPDLなどの特許検索でも、まずは「国際特許分類を探す」というのが最初の目的になったりします。
何か「すごい思いつき」をしたときは基本的にUSPTOを叩くといいです。
あの国の場合は公開審査なくても、実機が存在しなくても特許が成立しますから、
「なんとなく思いついた、金になりそう」
というものは全て存在していると思ってかかったほうがいいです。
逆に、そこで何も見つからなかったら…

・キーワードが間違い
・普通そんな呼び方しない
・別ジャンルにたっぷり関連が存在する

そんなところですねえ。
まあそんな意味でも高速なGoogle Patents Searchでガンガン検索できるのは、楽でいいです。