学生脅してみた | 王様の耳はロバの耳

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ゆがんだかがくしゃのたのしいにっきだよ

困った学生は幾つかいるんだが、そのなかでも調子ばかり良くて働かない留学生(留学生=フランス国外からの学生)がいる。
フランス人のとある馬鹿学生は本当に頭がおかしいっぽいので、無視することにしたんだが、こういうのに付き合っていると時間と機材ばかり持っていかれて、結果が返ってこない、という困った状態になることがある。

しかも彼らの教育としてやっているなら別に何もこまりゃしないのだが、こっちはSIGGRAPHという戦いの場で世界中の研究者の上を行くような投稿をこの環境から叩きださないといけないので、腐った学生を戦力に数えることでのリスクというのは計り知れない。

ま、学生としても別に研究者の荒波に揉まれた上で「博士に行きたい」とかのたまっている訳ではない(というかそれを知っていたら、普通の人間なら博士に行きたいなど言わない)だろうから、事の重大さがわかってなくて当然である。

というわけで、押しても引いてもだめな学生を「脅してみる」というのは、愛ある行為なのではないかと思う。

以下、彼へのメールの日本語訳。
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××くん、

貸した機材だけど明日は忘れず返してね。
そう、休みの間の進捗について見ることは出来るかな?

あと、知ってる?
フランス人の先生って、あんまり沢山言わないけど、学生が勤勉でないとある日突然全てをカットするんだよ。
もう、そういう学生見てきてて。
(私は彼のこと沢山助けたんだけど、先生が奨学金止めてしまって、彼は国に帰らないといけなくなったんだ…)

気をつけてね、じゃまた明日。
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ウソではない(詳しくは過去のBlogを参照)。
ま、これだけ具体的に言っても彼の就学態度(ちなみに授業もよく遅れてくる)が向上しなかったら、本当に切る。
無論、私が彼らの奨学金を止めたりは出来ないんだが、私が彼を見放すと、必然的に彼は「何もやることがない人」になり、論文どころか研究も出来ないし(そもそも研究の基礎からどうにか学ばないといけないレベル)、さらにいうと教授から私に指導権を譲られているという時点で、彼らは「後がない」と言うことである。
(フランスの先生は自分の手に負えないor性に合わない学生を他人に任せる風習があるようだ)

まあ「外人差別だ!」と叫ぶなら叫んだらいいと思う。
私も含めて、この国に着たばかりの留学生というのはそうやって首の皮一枚で誰かに息の根を握られているという状態がしばらく続くのだ。
もちろん残ってがんばれる学生は、他にもアビリティやコネクションがあるから生きていける、というわけだけど。

がんばれ学生。
お願いだからちゃんと働いてくれ。