大学改革 | 王様の耳はロバの耳

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ゆがんだかがくしゃのたのしいにっきだよ

Yahooニュースより

■<東京大>学業優秀なら行きたい学部へ 来年度から
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051116-00000025-mai-soci

成績がよければ基礎教養やってなくても医学博士になれる、という話ではない、人生の可能性を生かすための方策として正しく運用されれば良いのだが。

逆に「東大の法学部じゃないとできない!」というような進路についてどうなっていくんだろうという疑問もあるが、それはそれで生き残っていくんだろうな、東大だから。


■TACが設置申請取り下げ 会計の専門職大学院
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051005-00000255-kyodo-soci

前から気になってたんだが、専門学校を母体にした大学院大学って、本質を取り違えてるような気がする。

・講師陣がそもそも魅力に欠けている
 修士、博士の教育を受けたことがない講師陣でどうやって修士博士を教育するのか、小一時間問い詰めたい。
 それを補う経験があるというのは良いが、そういう先生が大多数でどうやって論文指導するのか。成功経験だけで何でも解決するのが専門教育なのか。

・文科省への申請書類のお作法が駄目
 本当に国に認可してもらおうと思ったら、この手のお作法は内実ともにしっかりしてなければ駄目なのに「やっぱり」といわれてしまうクオリティだったりする。

・カリキュラムが詰め込み型
 専門学校じゃないんだから短期間に単位詰め込むなよ、という現実がわかってない人が設計したカリキュラム。研究はおまけ程度、試験に受かる、偉い人の話が聞ける、あとは課題がどっちゃり、というschool=スコレー(暇)ではなく、ある種の監獄的強制労働。

・資格重視、就職重視、過程無視
 簡単に言うと自動車教習所と同じコンセプト。サボって留年しても儲かるのは学校。法科大学院とかはそれでもいいのかもしれないけど、昨今の陪審員制度など見ていても、大量に資格だけ持ってる人材生み出していくと、世の中の仕組みや考え方が変わった時に、大量の迷える子羊を生み出すというのがわかってない、というか第二次ベビーブームの多くがその犠牲者でもあるんだが。


大学関係者とか大学経営関係者とか入学プロモーション関係者とか認可関係者で、意見の食い違いが多いのもこの問題の特徴のようにも思う。

つまり、その必然性とか必要性とかが問われる以前に、先生方の椅子増やしとか経営上の皮算用、時流に乗っただけという例が多く見られる。
そういった開学の理念であるとか、社会的意義であるとかそういったものがちゃんと高い教育に基づいて提案されているのであれば「××大学院」というような専門学校名が冠にくるような大学名はつけないはずだろうし。

まあ「それがわからない人がそういう学校に行くんだろう」という考え方もあると思うんだが、そういう大学はいっそ認可されないほうが世のため人のためというものだ。


もう一言だけ付け加えさせていただくと、
何で専門職大学院に行きたがるんだろう?

大学で学び損ねた?
職務上必要になった?
もっと給料がほしい?
履歴書を飾りたい?

てゆか暇と金と学問が同居するなんて虫のいい話だ。
そんなんで取れる学位なら、学問に対する侮辱だ。
先人の学位が汚れるのでやめてほしいと思う。

そんなんだったら
専門学校で一生懸命学んで、
仕事を一生懸命やって経験をつんで、
それを認定してあげるだけの機関があれば良いと思う。

同じ職を10年勤め上げるとか、そこで得た経験や知識を再認識・評価するとか、そういったものを軽んじる社会になると、働く意欲がどんどん低下すると思われます。


上記、法科・会計・IT・映像すべてに当てはまる話だと思うんですが。